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ウェブ会議における裁定和解(民訴法265条)

 両当事者とも裁判所に出頭しない双方ウェブ会議(書面による準備手続)で、先般、初めて、裁定和解(民訴法265条)の手続を利用しました。今後、利用が増えると思いますので、備忘録と情報提供を兼ねて、概要を掲載します。

 

【前提】A地方裁判所、原告代理人(大阪)、被告代理人(岡山)

 

・原告による提訴後、第1回口頭弁論期日が指定されたが、当方が答弁書を提出後、双方ウェブ会議(書面による準備手続)利用に同意したため、期日が取り消され、以後ウェブ会議(書面による準備手続)で進行。

 

・裁判官がウェブ会議期日に画面共有するなどして和解条項案の調整、確定。

 

・裁判所から、今後の手続の流れに関する説明文書と「裁判所等が定める和解条項の申立書」書式が提供される(チームズ上)。

・「裁判所等が定める和解条項の申立書」をFAX送信

・双方から申立てがなされた時点で、裁判所より「裁判所が定める和解条項の告知書」がFAXで届く。受領書をFAX送信。この時点で和解が成立したものとみなされる(民訴法265条5項)。

・当方より、和解調書正本送達申請をFAX送信

・裁判所より、和解調書正本が送達される。調書には「和解条項の告知日等」という項目があり、「当事者双方 ●月●日ファクシミリにより告知」などと記載。

 また、「当事者間に次のとおり和解成立(民事訴訟法265条)」と記載あり。

 

  以上のとおり、FAXを都合3回送信することになりました。ウェブ会議の時代にFAXが大活躍しています・・・。

 民事裁判手続のIT化が進んで、早く、このような運用が笑い話になることを期待しています。