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「ルポM&A仲介の罠」藤田知也著

 M&Aの売り手である中小企業とその経営者が被った損害(経営者保証が外れなかった事例など)を追う中で、売り手と買い手を仲介したM&A仲介ビジネスの問題点を丹念に取材した朝日新聞デジタル記事をまとめたルポルタージュ。2025年7月発行。朝日新聞出版。

 まず、一連の報道があったことで中小企業庁を動かし、M&Aガイドラインの改定につながったとのことで、声なき声を拾い上げ、問題点を厳しく追及するという、報道機関の役割を果たした著者に対し、敬意を表したいと思う。「報道がなければ犠牲者が増えた」と、M&A仲介ビジネス当事者から反省の弁が出たことからも、この一連の記事の影響力は大きい。

 また、終章で紹介された、朝日出版社のM&A騒動と河合弘之弁護士の登場は、まさに河合弁護士が振り返るように「テレビドラマか映画にでもできるような展開」で、特に読ませた。

 私自身、現時点ではM&A案件を扱うことはないが、今後、仮に扱うことになった場合には、地元の中小企業からのアドバイザー依頼であろうから、引き続き勉強を重ね、本書において取り上げられたような被害者を出さないよう、尽力したいと思った。