· 

選択的夫婦別姓と憲法と平和

 週刊文春2026年3月19日号の「私の読書日記」で、女優橋本愛さんが以下の2冊の書評を紹介していた。

 ・『選択的夫婦別姓は、なぜ実現しないのか?日本のジェンダー平等と政治』(ジェンダー法政策研究所他編、花伝社)

 「けれど今は、選択的夫婦別姓が実現しなければ、結婚したくないとまで感じている。この名前には私の人格が宿っており、私のすべてが入っている。そのような感覚のない人がいることも理解しているが、私は痛烈に、自分の名前を剥奪されることを拒んでいる。」

 「私は、この議論が後退しないことを望んでいる。」

 夫婦別姓を認めていないのは日本だけ。マネーロンダリング対策の観点から国際的に厳格な本人確認が要求されており、「通称」使用には限界がある。

 橋本さんの言うとおり、時代遅れの人権侵害制度は早急に改める必要がある。

 参考 日弁連特設ページ

 

 ・『改憲問題Q&A 2025』(大江京子編著者、地平社)

 「非常事態を理由に、権力が一時的に強化される制度は、民主主義の統制を弱める危険性を持つ。憲法は本来、国家権力を制限するためのものである以上、その制約を緩める改正には慎重になるべきではないか。」

 「私たちは『戦争反対と声を上げることで直接的に戦争を防ぐ』という短絡的な発想のもとに発言していない。権力の暴走によって知らず知らずのうちに、尊重されるべき自由や、人権や、人命が奪われることを拒絶するために、声を上げることは不可欠なのだ。私たちの声は、決して無力ではない。」

 このブックレットは薄くて読みやすいので、一読をお勧めする。

 橋本さんが指摘するとおり、憲法は国家権力の暴走を制限して国民の権利・自由を守るためにあるのであるから、国家権力の暴走につながるような憲法改正は許されない。

 そして、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」(憲法12条)のであるから、一人一人が自分のできる範囲で声を上げ、一緒に憲法を守っていく必要がある。