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「沖縄を語りつぐ ある家族の歴史」川平朝清、ジョン・カビラ著

 ラジオDJのジョン・カビラ氏と、その父で戦後沖縄の放送界で活躍した川平朝清氏とのFM番組での対談を再編した新書。2026年6月発行、岩波書店。

 まず、川平朝清氏についてこれまで知らなかったが、その半生について大変興味深く読み進めた。

 台湾で生まれ、戦後沖縄に戻り、ラジオ放送開始、アメリカ留学、アメリカ人女性との結婚、沖縄に戻ってのテレビ局開局など、米軍統治下の沖縄に関する貴重な証言ばかりであった。

 

 特に貴重な証言が、1963年のキャラウェイ高等弁務官とのやり取り。「キャラウェイ旋風」と呼ばれる強権的な政治・経済政策で有名な人物である。

 川平氏はキャラウェイから「日本政府は二枚舌だ、気をつけろ」と耳打ちされたとのこと。沖縄を訪れた日本政府の閣僚との会談で、キャラウェイが琉球政府について苦言を漏らすと、日本の閣僚が「そういうときは、がつんとやればいいんですよ」と返したとのことで、キャラウェイは「同胞に対してそういう言い方はないだろう」と不快感をあらわにし、川平氏には「君たちはどんなところに復帰しようとしているのか、よく考えるべきだ」と伝えたとのこと。

 1972年の本土復帰後も現在まで続く、日本政府の沖縄に対する米軍基地負担押しつけをキャラウェイは見抜いていたのではないか。

 

 ジョン・カビラ氏との番組の最後に、SNSやYouTubeがある現代において、ラジオ・テレビ放送の役割を問われて、川平氏はpublic interest, convenience, and necessityの3つ、すなわち、人々の興味関心と、それから利益と、そして必要性を挙げ、そのためにメディアは使われるべきと話した。

 また、メディアがパブリックのためにあることを忘れないでほしい、と述べた。

 以前マスメディアにいた一人としてそのとおりだと思うし、こうしたメディアがなくならないよう、できることがあれば応援していきたいと思った。